この事例の依頼主
30代 女性
相談前の状況
パートナーの男性は,配偶者の女性と離婚が成立しておらず,配偶者の女性と婚姻関係があります。パートナーの男性によると,妻から夫へのDVがありました。DVで骨折などもしていました。配偶者の女性は,絶対に離婚しないと言っています。新しいパートナーである私の存在に気が付いたらしく,探偵を使って身辺調査をしたり,配偶者の女性が私の会社に電話してきたり,私の実家に電話をしてきたりします。何とかやめさせてほしいです。また,配偶者の女性から,多額の慰謝料請求もされています。パートナーの男性からは,婚姻関係は破綻していると聞いていますし,激しいDVをしているような人が不貞行為の慰謝料請求などできるのでしょうか。
解決への流れ
パートナーの男性と配偶者の女性の離婚が成立し,私への干渉行為も一切やめるということも和解契約書に記載されました。慰謝料請求も取り下げられました。平穏な生活を取り戻すことができて,感謝しています。パートナーの男性ともお付き合いを続けています。ありがとうございます。
男女関係としては,とっくに終了していたとしても,例え激しいDVがあったとしても,婚姻関係が残っている限り,不貞行為に該当してしまう可能性がありますし,不貞行為の慰謝料請求をされる可能性があります。婚姻関係が破綻しているという場合は,破綻の証拠を集めて,破綻の主張ができるように準備することが重要です。仮に不貞行為にあたるとしても,妻が不貞行為の相手方女性の会社や家族や友人に不貞行為の事実を告げる行為は,名誉棄損罪に該当する可能性がある危険な行為です。最近は,フェイスブック等のSNSでの書き込みやコメント,ダイレクトメッセージで,不貞行為(不倫,浮気)を行っている行為を言ってしまうことがありますが,犯罪になりうる危険な行為なので,すぐに中止させる必要があります。本件では,警察に相談に行き,妻にそのような行為を行わないように注意してもらいましたが,効果がありませんでした。弁護士から,妻に対して,逆に損害賠償請求しますよと告げ,やっとストップしました。婚姻関係の解消(離婚)が成立する前に新しいパートナーができて,新しい生活を始めてしまうということは,実社会生活においてはありえることです。もっとも,訴訟提起をお互いにするような状況では,根本的な解決は遠のくばかりです。本件もそうでしたが,多くの場合,結局は,離婚が成立しなければ解決しません。まずは,弁護士に相談することをお勧めします。