犯罪・刑事事件の解決事例
#慰謝料 . #不倫・浮気

障害年金を理由に働かない妻との離婚問題の解決

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澤田 剛司 弁護士が解決
所属事務所弁護士法人若井綜合法律事務所新橋オフィス
所在地東京都 港区

この事例の依頼主

40代 男性

相談前の状況

相談者(40代・男性)パートタイマーである40代の男性から離婚問題に関するご相談を受けました。具体的な相談内容は以下のとおりです。僕の妻は現在、疾病により障害年金を受給しています。そして、僕と妻との間には2人の子どもがいます。子どもの年齢はそれぞれ12歳、7歳です。小学生のうちはまだ何とかなりそうな気もしますが、この先中学校、高校と進学していくとなるとさらにお金がかかるようになると思います。だからこそ、妻にもできる限り働いてほしいのです。お恥ずかしながら僕の給料(と妻の障害年金)だけでは不安が残ります……。僕も少し調べてみましたが、妻の障害等級は3級ですから働けるはずです。しかし、妻にそのような相談をしても「私は病気だから働けない・ひどい」などと言われてしまいます。そして、その割に「学費のぶんもちゃんと稼いでね」と言ってくるので本当に困っています。しかも、妻は子ども達には「遠慮しないで大学にも行ってね」などと言っています。ただ、我が子達も色々と察しているようで、上の子は最近になって「中学卒業したらすぐに働くよ」と私によく言ってくれています。ですが、さすがにこのご時世ですから、2人とも最低でも高校までは通わせたいと思っています。しかし、下の子どもについてはあまり良く分かっていない部分もあるようで、妻に良いように言いくるめられているような雰囲気があります。つい最近、下の子どもと妻の会話をこっそり聞いてみたのですが、「お母さんさんは病気だから、国からお金がもらえるんだ。そのお金があれば、あなたたちは何不自由なく生活できるんだ」と言っていました。先ほども言いましたが、僕の仕事の給料が高くないので何不自由なくというわけにはいきません……。上の子どもについては、比較的妻に対する不信感も抱いているようですが、妻は口が上手いのでこの先どうなるか分かりません。しかも、妻は特に節約しようという気がないようです。いつの間にかゲーム機を買っていましたし、ゲームソフトも大量に。いつ着るのか分からないような洋服も月に十着以上は購入しています。僕のほうはと言うと、できるだけ残業を入れてもらって何とか少しでも多く稼いでいます。そうでもしなければ、子どもたちの将来のための貯金ができないのである程度仕方がないと感じてはいます。ただ、僕は毎日ヘトヘトになっているので、本当でしたら家事はほとんど全部妻に任せたいのです。妻の体力的にこなせない部分があるのだとしたら、そのぶんは私は引き受けるつもりです。実際に、家事のことについて妻と相談した事がありますが、「妻だから家事をやれ、だなんて時代遅れだよ」と言われてしまいました。話が噛み合っていませんよね。どうやら、根本的に僕を手伝おうというか、家族のために協力しようという意識がないようです。本当でしたら、子どもには家の用事など何も気にせずに遊んだり勉強したりしていてほしいのです。妻が障害年金を貰っている以上は、もしも妻が働いてくれていたとしても、完全に好き放題暮らすことはできないと思います。しかし、子どもにほとんど玩具などを買ってあげられないのは実に心苦しいです。妻にはまだ離婚の話を全く出していないのですが、少しでもその話題を出してしまうと面倒なことになりそうなので、妻には何も告げないまま依頼しました。※これらの内容は個人を特定できないよう、相談者の承諾を得て編集し載せております。

解決への流れ

■相談後妻に離婚の話を一切しないままに、離婚の事について弁護士さんと相談するという事で少し心苦しかったです。しかし、しっかりと話を聞いていただくことができてホッとしました。率直に言って、僕は最近妻のせいでイライラしていましたので、色々とまくし立ててしまったような気がします。あまり分かりやすくお話することができなかったと思います。ですが、・妻が全く働かない・日々の暮らしの中で妻がほとんど何も協力してくれない・生活費の多くを僕の収入が占めている・妻が節約をしないなどのことをきちんと話すことができました。今、改めて振り返ってみると「僕が話しやすいように、冷静に誘導してくださったのだ」と思います。そして、上記の3つのことを中心に、現状の妻の問題点を指摘する調停申立書を作りました。弁護士さん曰く「調停の日の前に、裁判官や調停委員に状況を理解してもらうことが大事ですので、この申立書を作ります」とのことでした。僕は法律のことは全然分からないのですが、それでも、できる限り僕が理解できるように、簡単な言葉で順序立てて説明してくださったので、終始安心して進めていくことができました。そしてこの申立書のおかげもあってか、初回の調停期日で、離婚、養育費、親権の話がそれぞれ全部まとまりました。率直に言って、「妻から養育費を受け取る」って少ないじゃないですか。だから弁護士さんにも難色を示されるのかと思っていましたが、そんなことはありませんでした。また、僕は「僕と弁護士さんで、テレビを観ながらゴロゴロしている妻を直接説得する」というような流れになるかと思いある程度覚悟していたのですが、そういう事には全くならなかったので良かったです。そのような原始的な方法は使わないのですね。それから、障害年金を貰っている妻の場合、養育費はどうなるのかと心配しておりましたが、調停委員を介して「子どもが、妻と同レベルの暮らしができるように、保証しなければならない」と、説得していただけました。もしもあのまま妻と生活していたら一体どうなっていたのだろうかと今でもぞっとする事があります。ですが、現在では僕も精神的にも身体的にも楽になり、のびのびと働くことができるようになっています。何より、妻のための家事をしなくて良くなったため、私にも自由な時間が生まれました。まさか、子ども2人と一緒にのんびりお喋りをする時間ができるだなんて、妻と一緒に生活していた頃には夢にも思いませんでした。そして、心なしか子ども達の普段の表情も明るくなったような気がします。※これらの内容は個人を特定できないよう、相談者の承諾を得て編集し載せております。

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澤田 剛司 弁護士からのコメント

調停では「説得」を行うことがカギとなります。まずは、「調停手続を引き受ける『調停委員』」を説得することが重要です。調停委員の納得を得ることができれば、こちら側の考えをその調停委員が的確に伝えてくれます。また、こちらの望む結果を得やすいように誘導してくれる場合もあります。本件も、この方法で上手くいったのだと分析しております。依頼者からきちんと話を聞き出し、それをベースに説得力の強い申立書を作ることが重要です。これこそが、家事調停を上手く進めていくための要点だと考え、常に尽力しております。