この事例の依頼主
男性
相談前の状況
被疑者のご友人から、繁華街の路上で警察の職務質問を受け、所持品検査を求められており困っているという電話連絡を受けました。状況をお伺いすると、路上で多数の警察官に囲まれており、任意であるから立ち去ろうとしても行く先を塞がれて解放されないとのことでした。電話でのやり取りには限界があったため、深夜ではありましたが、職務質問を実施している現場に向かうこととしました。
解決への流れ
現場に到着すると、電話で聞いていたとおり、被疑者を多数の警察官が取り囲んでおり、パトカーも到着するなど物々しい雰囲気になっておりました。身分を警察に明かし、依頼を受ける可能性があることを伝え、警察官と距離を取ったところで被疑者の話を聞くと、大麻を所持していることを伝えてきました。強引に立ち去ることは難しい状況であり、警察官からは間もなく令状が届くという話も聞いたことから、捜査に協力する方針に切り替え、任意で大麻を提出し、検査にも立ち会うこととしました。大麻であることが確認されたため、現行犯逮捕されることとなりましたが、現場で、家族の連絡先や連絡事項、仕事への対応、取り調べを受ける際の注意点、今後の手続などをレクチャーし、逮捕後は速やかに接見に行くことを約しました。その後、勾留決定はされたものの延長は阻止し、一時的に遠方に住んでいたご家族のもとに戻してあげることができました。公判請求はされたものの、ご本人およびご家族と協力しながら執行猶予判決を獲得し、仕事への影響を最小限に抑えることに成功しました。
逮捕後に警察署からご連絡をいただくことは多くございますが、可能であれば、身柄を拘束される前に、ご家族との連携や仕事への対応、取り調べにあたって注意すべき点などをかなり具体的に話ができたのは良かったと思います。また、職務質問や所持品検査においては、事実上、強制捜査とも取られかねないようなことがなされる場合もございますが、現場に速やかに向かったことで、当職も警察の捜査を録画しながら注意深く観察し、不必要な圧力を避けることができたと感じております。警察官に囲まれたタイミングで弁護士に連絡をするというのは容易ではないかと思いますが、連絡をいただければ、可能な限り迅速に現場まで伺います。