犯罪・刑事事件の解決事例
#遺産分割

亡夫の兄弟による相続権の主張

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大槻 厚志 弁護士が解決
所属事務所県民合同法律会計事務所
所在地千葉県 千葉市中央区

この事例の依頼主

年齢・性別 非公開

相談前の状況

先般,夫が亡くなりました。夫婦の間に子供はなく,夫の両親も既に死亡しております。但し,夫の兄弟は,3名おります。夫が残した財産は,自宅(時価約900万円相当)及び預貯金約880万円です。私としては,自宅も処分して,相続分を基本としつつも,できれば,妻である自分が幾分有利になるように解決してほしいと考えています。亡夫の兄弟は,相続権を強く主張しているわけではありませんが,なにがしかの金銭の給付を受けたいとは考えているようです。

解決への流れ

①亡夫の兄弟が,相続権を強く主張しているような場合は,遺産分割の調停を申し立てるほかありません。この場合,妻の相続分は3/4であり,残り1/4を3人の兄弟で分けることとなり,各兄弟の相続分は1/12ということになります。しかし,本件では,弁護士が入れば,遺産分割調停を申し立てることなく解決する可能性があったため,亡夫の兄弟3名に対し,相続財産を正直に開示したうえ,調停申し立てにより解決するか,当職が中心となって相続財産を計算し,資料を付け,納得してもらえば,遺産分割協議書を作成する方法で良いかの回答を求めました。その結果,3名のご兄弟全員が,当職が,きちっとした資料を付けて提案すれば,特に調停手続は望まないとのことでした。②その結果,遺産分割の調停手続は取らずに,当職が中心となり,全員の承諾のもと,次のように手続を進めました。・遺産分割協議書の作成(亡夫の相続財産全部を,依頼者妻が相続したうえ,各兄弟には,一定額の代償金を支払うという内容)・ 預貯金については,相続人全員の署名・押印による書類に印鑑証明書を添付して,各銀行に提出して引き出し,当職が一時保管。・不動産については,信頼のおける不動産業者に売却を依頼して処分。・約束していた代償金を,ご兄弟にお支払いし,残りは妻が取得した。③本件処理のように,遺産分割についても,当事者間ではなかなか話し合いがつかないものの,さりとて遺産分割調停を申し立てるまでは必要ないと考えられる場合は,弁護士が入って,比較的早期にかつ適正に処理することもあります。

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大槻 厚志 弁護士からのコメント

遺産分割でもめて,弁護士に相談に来るような場合には,一般的には,調停申立をして,調停委員のもとで話し合いをしないと解決しない場合が多いと思います。しかし,当事者がそれほど感情的になっていない場合には,弁護士が介入することにより,依頼者以外の相続人の気持ちも配慮しながら,適正な分割案を提示したり,相手方にも弁護士がつくなどして,弁護士同士の話し合いにより,大きな争いにならずに解決する場合もあります。