この事例の依頼主
50代 女性
相談前の状況
相談者は、10年ほど前に2人の子供を連れて夫と再婚し、専業主婦をしていました。相談者は、結婚当初は働いていたものの、夫の転勤などで体調を崩したこともあり、専業主婦となっていました。ある日、夫が家を出て別居し、離婚を求めてきました。相談者と子どもの住んでいる家は、夫名義で賃借しており、生活費も夫にもらっていたため、相談者としては離婚の要求を拒否しました。
解決への流れ
まず、相談者は、専業主婦であったことから、生活費を確保するため、婚姻費用を請求する調停を申し立てました。また、離婚については、相談者は、調停時は拒否していたものの、夫の意思が堅いことを悟り、訴訟段階で離婚に応じることにしました。もっとも、夫名義で賃借していた自宅は、ペットも飼育しており、退去することは難しいため、賃借人を相談者名義に変えてもらうことにしました。
相談者は、10年ほど専業主婦であったため、生活費を夫に頼っていました。そこで、夫が生活費の支払いを止めて離婚を迫ることがないように、まずは婚姻費用の調停を申し立てました。相談者は持病もあり仕事をしていなかったことから、自宅の賃借人名義を相談者に変えることは、当初、不動産管理会社から難色を示されました。もっとも、戸建てでペットを飼育していたという事情から、容易に転居はできなかったため、夫から一時金を支払ってもらうことにより、不動産管理会社に理解してもらい、名義変更をしました。配偶者が専業主婦などの場合、離婚によりいきなり生活費を失うことはリスクが大きいため、離婚後の経済的自立のプランも考えながら、離婚協議することが望ましいと思われます。