この事例の依頼主
女性
相談前の状況
相談者は、所有する土地に建物を建て、その建物をある事業者に賃貸することにより収益を得ることを勧誘されてこれに応じることとし、当該事業者との間で長期の契約期間を設けた賃貸借契約を締結したうえで、建物の建築に向けて整地その他の工事を発注し、作業を進めていたところ、借主である事業者から一方的に契約の破棄を通告されました。相手方は締結した賃貸借契約書に「予約」という文言があることを盾に、賃貸借(本契約)上の義務は未発生であったとし、手付金の放棄以上の損害賠償義務を拒否していました。
解決への流れ
訴訟を提起し、契約書にある「予約」の文言は法律上の予約を意味するものではなく、賃貸借契約(本契約)が成立していることを精力的に論じました。担当裁判官から相手方を強力に説得していただき、放棄される手付金とは別にその9倍にあたる解決金の支払いを得る内容の和解に至ることができました。
事業を前提とする契約であって消費者契約にはあたらないにしても、相手方は巨大企業であり、一市民を相手に一方的な契約の破棄をしておきながら、自ら作成した契約書の条項の不明確さを奇貨として責任を免れようとする姿勢には憤りを覚えました。とはいえ当方の請求が理論的に正当と言い切れるのか判断が難しく、判決の見通しは不透明でした。裁判官の理解を得て和解に至ることができ、相当額の賠償を実現できたことは幸いでした。