この事例の依頼主
70代 女性
相談前の状況
相談者の方は,お母様が亡くなられた方でした。当初ご本人で戸籍等を取得され,把握されていた相続人に連絡を取り,お母様の預金について各相続人のサインをもらって金融機関に提出したところ,他に相続人がいるとわかりました。ところが,この相続人の居場所がわからないばかりか,相手の出方もわからないので,当職に居場所をつきとめて交渉もしてほしいとの依頼がありました。
解決への流れ
とりあえず戸籍等をたどって行方不明の方の居場所を突き止めました。その上で,その方に対面し,依頼者の方が故人のために医療費や葬儀代等の支出をしていることを説明して,これらを控除した分を受け取るという形での遺産分割協議を成立させました。
かなりよくあるケースの一つです。相続人が後から判明すること,また,判明したけれども連絡先がわからないことは決して珍しくありません。本件の場合,実はこの行方不明だった方の親族と依頼者の関係者との間にいろいろと事情があるようでした。実際に対面してそのあたりの話を伺ったことで,円満に話ができたところがあると思います。もし形式的に金額だけを提示していたとしたら,その方の思いがどこにも出ることなく,かえってもめたかもしれません。