この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
祖母が亡くなり、相談者と伯母の2人が相続人となりましたが、伯母とは疎遠でした。遺産は、不動産、現金、預貯金、有価証券、遺品等で総額1億円ほどありました。伯母とどのように連絡をとるか、遺産をどのように確定させるか、各財産をどのように分割するか、などの問題がありました。
解決への流れ
受任後、直ちに遺産を調査して遺産目録を作成し、取得を希望する財産などをお聞きしました。方針として、まずは代理人から相手方に連絡をとって話し合いを行い、まとまらなければ早期に裁判手続で遺産分割を進めることとしました。当事務所より、相手方に対し、手紙で当方の希望を伝えたところ、相手方から、法定相続分を超える分割を希望する旨の返事が届きました。そこで、話し合いによる解決は困難と考え、裁判手続に移行する旨お伝えして家庭裁判所に遺産分割審判の申立てをしたところ、相手方にも代理人が就いたため、その後は代理人間で分割方法につき協議を重ねました。最終的に、法定相続分を踏まえ双方の希望を反映した内容で合意できましたので、審判は取下げました。交渉が長期化し、まとまるまでに約半年間かかりましたが、何とか相続税の申告期間内にまとめることができました。
遺産分割協議は相続人間の感情対立によってこじれ、長期化するケースが多々あます。そのため、速やかに着手すること、最初に方針を明確にしておくこと、相続人間の関係、双方の心情などにも充分配慮しながら進めることが大切です。