犯罪・刑事事件の解決事例
#財産目録・調査 . #遺産分割

兄が亡くなった母の財産を教えてくれません

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橋本 友紀子 弁護士が解決
所属事務所小原総合法律事務所
所在地静岡県 浜松市中央区

この事例の依頼主

60代 女性

相談前の状況

Aさんの母親が亡くなりました。Aさんの母親は、Aさんとは別の都道府県の介護施設に入っていました。Aさんの母親の財産は、Aさんの兄が管理していました。数年前、Aさんは、Aさんの母親を自宅で介護したいと兄に申し出ましたが、Aさんの兄は、Aさんの申し出を断っていました。この度、Aさんの母親が亡くなってAさんが兄に相続の話をしたところ、「介護にお金がかかったので財産はほとんど残っていない。」と言われ、年金が振込まれる通帳しか見せてもらえませんでした。

解決への流れ

弁護士は、Aさんの依頼を受けて、金融機関にAさんの母親の預金口座の有無及び取引履歴を照会しました。Aさんの母親の口座からは、死亡前10年間で、7000万円以上の引き出しがあり、引き出した後の使途がわからないことがわかりました。弁護士は、遺産分割調停と不当利得返還請求訴訟を提起し、Aさんの兄に7000万円以上の使途を追求するとともにAさんの相続分の支払いを求めました。Aさんの兄は、引き出した金の一部は母のために使い、残りは母から贈与を受けたので一切渡さないと主張しました。弁護士は、Aさんの母親が入っていた施設の利用料金や医療費、母の介護の資料などを取り寄せ、母のためにかかった費用を調査しました。また、Aさんの母親がAさんの兄に多額の贈与をする動機がないこと、兄の説明には不自然な点が多いことなどを主張しました。裁判では、裁判官から、兄に対する贈与は認めない内容で、兄からAさんに一定額を支払う内容の提案があり、和解で解決しました。

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橋本 友紀子 弁護士からのコメント

Aさんのように、お亡くなりになった方の財産の状況がわからない場合、金融機関に照会することができます。ご自身で照会することも可能ですが、必要書類をそろえたり、届いた書類の内容を確認したりするのは、専門家に依頼すると安心です。また、Aさんの不当利得の裁判では、Aさんの兄が自己に不利な証拠を出してこない中、母親のために使った費用を調査したり、贈与であれば本来あるはずの書類や手続きがないことを指摘するなど、戦略的に裁判官を説得し、結果として贈与を認めない内容で和解できました。