この事例の依頼主
30代 男性
Aさんは、営業職のサラリーマンでした。住宅ローンを組んで念願のマイホームを購入し、妻と子供たちと一緒に生活していました。Aさんは営業職だったので、営業成績が悪いと毎月の給料も下がります。Aさんは、給料が少ない月も、妻には本当のこと(営業成績が悪くて今月の給料が少ないこと)は言えず、妻には隠れて借金をしたお金を妻に生活費として渡していました。しかし、景気の悪化を受けて営業成績は悪い月が続き、住宅ローンと子供たちの教育費と十分な生活費を給料から賄うことができず、借金は膨らんでいきました。加えてAさんは、パチンコであたりを出せば借金の返済もできると思い、休日はずっとパチンコをするようになりました。しかし、パチンコで大当たりすることはなく、パチンコ代も借金になっていきました。Aさんは、借りて返してを繰り返していましたが、とうとう期限までにお金を返せなくなり、自宅に業者から返済を求める手紙が届きました。その手紙を見て、妻は借金を知りました。Aさんの妻は、借金に驚いて怒り、夫婦そろって弁護士に相談に来られました。
住宅を残したいというご希望があったこと、借金の中にパチンコ代があったことから、個人再生を選択しました。Aさんの妻は、当初怒っていましたが、方針を説明して住宅を残せることがわかってからは、協力してくれることになりました。そこで、Aさんの妻には、毎月家計簿をつけること、パートに出て生活費の一部を稼ぐことをお願いしました。個人再生申し立てをして、返済すべき金額を5分の1にすることができました。それにより、Aさんは、子供たちの生活環境を変えることなく、家を残したまま、会社の給料と妻のパート代の範囲で生活できるようになりました。
破産の場合、基本的に自宅は残せませんが、個人再生であれば、住宅ローンのある自宅も残すことができる場合があります。Aさんは、個人再生を選択することで、自宅を残しました。破産や個人再生をする場合、妻の協力も不可欠です。当初、Aさんの妻は借金を隠していたことに怒っていました。しかし、法律事務所に一緒に来ていただき、丁寧に説明をしたところ、最終的には協力的になり、家計簿をつけたり、パートに出たりして家計を支えてくれました。