この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
亡くなった叔母様の遺産の相続について、ご相談がありました。叔母様にはお子様がおられず、また、叔母様の夫(叔父様)は先に亡くなっておられました。叔母様は叔父様の相続人でもあったことから、叔父様名義の遺産についても分割する必要があったのですが、叔父様についての遺産分割もできていませんでした。ご相談者様は、叔母様側はともかく、叔父様側の相続人とはまるで面識がありませんでした。そのため、ご相談者様には、相続人が誰でどこに住んでおられるのかさえよく分からず、今後どのように遺産分割を進めていけばよいのか、大変困っておられました。
解決への流れ
打合せの結果、相続人が誰か(相続人の範囲)、相続の対象となる遺産として何があるか(遺産の範囲)を調査したうえで、遺産をどう分けるか話し合い(遺産分割協議)を行うことになりました。相続人の調査は戸籍をたどって行うことになります。このケースでは、相続発生後に亡くなった方がおられてさらに相続が発生していたりしたこともあり、最終的に相続人の範囲を確定するまでに、かなりの数の戸籍(除籍、改製原戸籍)を調査・収集する必要がありました。また、相続放棄の有無を調査をしたり、諸事情から遺言書の検認や遺言執行者選任申立てを行うなど、当初は全く予定していなかった手続も行いました。こうして、時間はかかりましたが、相続人・遺産の範囲を確定し、さらに他の共同相続人の協力と理解を得て、なんとか遺産分割協議を行うことができました。
このケースでは、遺産分割協議がうまくいかなかった場合には家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることも視野に入れていましたが、結果的に調停をすることなく遺産分割を終えることができました。この事案に限らず、遺産相続においては、時間が経てば経つほど、新たに相続が発生して登場人物が増えたり、場合によっては遺産が散逸したりして、問題を複雑にしてしまいかねません。そのため、できるだけ早期に着手することが最も重要だと思います。